箱根八里 箱根峠 西坂 (第一部)
(芦ノ湖から三島までのあいだ)

 

2025年3月25日箱根八里の石畳「西坂」を歩いた記録
松山拓也

 

 

箱根八里を歩いてみようと思い立ち、東坂を登ったところで大雪で断念した続きとして、今回は三島駅からバスで芦ノ湖まで移動し、芦ノ湖から三島駅を目指すことにした。

 

これで芦ノ湖から三島駅まで自分の足で降りてくれば、箱根の山を自分で歩いて登って降りたことになると言う魂胆である。

 

登山と違い、こういう街道歩きは、バスや電車、公共交通機関がルート上にあるので、スケジュールの変更や、何日かかけて歩き通すということができるので空いている時間に自分の都合の良い時にチャレンジできるから非常にありがたい。

 

 

今回、西坂を三島に向かって降りるルートを歩いたが、西坂は西坂で見所満載である。箱根の関所はもちろん、山中城跡なども規模が大きくたっぷり時間をかけて見学していたせいで、通常だったら1日で降りてこれるルートを2回に分け、計2日かけて降りることになった。しかしこれで良いのであろうと僕は思っている。速さや順位を競うマラソン大会ではなく、自分の好きなものを見て、好きな時に写真を撮り、行きたいところに自分の足でザックを背負って移動する。それがアウトドアをベースとした古道歩きの楽しみ方ではないかとも思うからだ。

 

西坂は、東坂に勝るとも劣らぬ素敵な石畳が多く点在し、次々と現れる素晴らしい石畳のトレイルを満喫することができた。また写真を撮る方なら、西に向いて進む西坂ゆえの、夕日の逆光の中の石畳という絵になるシチュエーションも楽しめる。

 

3月の雪の中で登った東坂と、最後の西坂の道では、満開の桜並木が迎えてくれた。美しく変わりゆく箱根の自然と古道を多くの方に楽しんでもらいたいと思う。

 

 

 

 

01■7:56 新幹線で三島駅に到着駅でお弁当を買ってまずは芦ノ湖までバスで移動する。

 

 

 

02■三島駅南口からバスに乗る。バス停は駅の目の前である。

 

 

 

03■9:15 元箱根港到着到着。三島駅〔南口〕→元箱根港までは約50分。景色を眺めながらの快適なバスの移動。

 

 

 

04■今日は快晴、良い日になりそう。芦ノ湖も綺麗に見えています。

 

 

 

05■9:29、元箱根港から道路を渡り、ルートを歩き出すと早速素晴らしい杉並木が迎えてくれる。

 

 

 

06■一本一本が大きな立派な杉並木である。樹齢何年なんだろう…?昔の人もこの杉並木を歩いていたのだ。

 

 

 

07■9:49写真を撮りながらのんびり歩いて行くと、箱根の関所に到着。資料館好きなので、全ての資料に目を通す。資料館の中は撮影禁止である。

 

 

 

08■10:21 結局資料館で30分くらいは見学し、資料を読んでしまった…。先を急ぐ気すらない。たっぷり箱根を満喫することにする。

 

 

 

09■箱根の関所跡では、かつての関所が再現されている。

 

 

 

10■このような獄屋(牢屋)に入ることもできる。狭いし床が硬い…。

 

 

 

11■箱根の関所の「遠見番屋」から芦ノ湖を眺める。かつては水中から山の中まで柵が設置されていたという。

 

 

 

12■11:11箱根の街を抜け「向坂」という石畳の道に入る。石畳は丸い石が敷かれていて、慣れないと歩く時に足をくじきそうで少々不安である。

 

 

 

13■不揃いな石が並んでいるのが分かると思う。しかし、かつては竹などが敷かれ、雨が降ると膝まで泥の中を歩く道だったというのだから、当時にしたら石畳は高級な高速道路だったのかもしれぬ。文句は言えぬ。

 

 

 

14■石畳を歩き、道路をくぐる。

 

 

 

15■赤石坂、坂の一つ一つに名前が付けられている

 

 

 

16■当然、我々は全ての説明文を読む。

 

 

 

 

17■覚えているかどうか?は別問題なのであるが。

 

 

 

18■赤石坂は向坂と違い、石畳の石が平らな面があり少し歩きやすくなっている。石畳は江戸時代から近代まで、また現代でも整備されているので、年代により、使われている石も違うのである。当然歩き心地も違う。

 

 

 

19■平らな面の石で作られた石畳であるが、これは比較的に近代なのだろうね…と話ながら歩く。

 

 

 

20■11:19赤石坂は美しい木漏れ日が迎えてくれた。こんなシーンの中を歩くことが出来るのは幸せな瞬間である。

 

 

 

 

21■坂が階段に変わる、苔むした周囲の石たちがいい雰囲気だ。

 

 

 

22■登るとそこには挟石坂の看板があった。

 

 

 

23■11:36 道に出て右に行くと、道の駅「箱根峠」があった。トイレ休憩と少し早い昼食をとることにする。

 

 

 

24■メニューはこんな感じ、いい…、非常にいい。

 

 

 

25■悩んだ結果、「箱根峠そば」を頂く、おおきな海老のてんぷらとワカメが入っていて、関東風の色の濃い出汁で頂く蕎麦は美味しいのである。

 

 

 

26■道の駅「箱根峠」

 

 

 

27■食事を食べ、休憩を終えたので、古道歩きに向かう、この道の駅からは画面向かって右へ、来た道を戻ることになるので注意したい、僕は少し迷いました。

 

 

 

28■先ほどの挾石坂のところまで戻る。三島方面に向かうには矢印のように緑のゾーンを渡り、中央の車道にある緑のところを歩く。

 

 

 

29■よく見ると地面に歩行者向けに書いてあるのだが、僕らは少し理解するのに時間がかかった。

 

 

 

30■車道の緑に塗られたゾーンを歩く、車に気を付けて歩行しよう。

 

 

 

31■ここは箱根新道との大きな交差点というかランプのようになっており、複雑かつ交通量も多いので注意が必要です。

 

 

 

32■ここまで渡れたらひと安心。右に行けば歩道があります。

 

 

 

33■箱根峠を超え、箱根エコパ―キングという広い駐車場に差し掛かる。それらしいゲートもあり箱根感がある。

 

 

 

34■箱根峠標高846mを超える。芦ノ湖の標高は723mなので約100mは標高を上げた、ここから先は下りである。

 

 

 

35■石畳の道がこの時は通行不可だったので峠茶屋に向かい国道1号線を行く。歩道もあり安心して歩ける。

 

 

 

36■12:48 兜石に到着。ここまで国道沿いの歩道を歩いてきたが、ここから石畳道に入る。現代の道と古い道を歩く。兜石のいわれの看板を読む。

 

 

 

37■移設されてきたのか…、うむうむ。なぜ移設したのかしら?などと話す。秀吉の兜を置いた節もよくありそうなエピソードで好きである。

 

 

 

38■ここから坂は下り傾斜が多くなる。登る場合は逆であるが、下るのも足をひねったりせぬように注意しながら歩くので石畳はなかなか大変である。

 

 

 

39■石畳は大変だよね、などと話しながら歩いていたら、見惚れるくらい素敵な石畳の道が現れる。右は杉林、左は竹林で冬の午後の光線に柔らかな光が落ちて素晴らしい。写真を撮る為に10分以上立ち止まる。なかなか進めない。

 

 

 

40■念仏岩 なんとなく「ふうん」という感じで看板を読んだが、これが昼でなく、夕暮れや夜中であれば雰囲気もあり、怖い感じなのだろうなと当時の時代を想う。

 

 

 

41■このあたりの石畳は上部の面が比較的平らにされており、丸石よりも歩きやすい気がする。しかし、石は不揃いなので油断は出来ない。

 

 

 

42■三叉路に出る。看板を読み左に向けて坂を下る。そろそろ山中城が近くなった、城好きな2人なので自然と足が速くなる。

 

 

 

43■こう、スックと立ち並ぶ杉林と落葉に覆われた石畳というのは、日本的な絵になる組み合わせだなぁと思いつつ歩く。池波正太郎の小説の中にいるようである。

 

 

 

44■車道の脇に立派な石畳道へのエントリー口がある。

 

 

 

45■階段を降りると石畳道が続いている

 

 

 

46■木漏れ日がいい感じである

 

 

 

47■この石畳は非常に歩きやすい。ということは現代に近く作られた石畳なのだな、とこの頃には歩きながら分かるようになってきている。

 

 

 

48■ここの石畳は少し古い(石の上部の平らさで分かる)

 

 

 

49■どこまでも続く石畳をずんずん歩いて行く

 

 

 

50■非常に歩きやすく美しい光景の中を歩く。来てよかった…と心から思う。

 

 

 

51■14:09 山中城に到着、想像以上に規模(縄張り)が大きく、城跡を見て回ろうとするとかなり時間がかかる。

 

 

 

52■しかし我々は城好きな訳であるから見ないわけにはいかない。立派な城の遺構である。見ごたえがかなりある!

 

 

 

53■結局、山中城を出たのは14:40、城跡の見物に30分を費やしたことになる。しかし、それでもいい。直にこの足で歩き、見たい物や所を満足できるまで好きなだけ見ることが出来るのが旅のいい所である。先を急ぐ。

 

 

 

54■ドラゴンキャッスルが見える「山中城口」交差点から石畳の道へと降りる。向こうに三島の街が見えてくる。

 

 

 

55■道路との間には落差があり、階段が作られている

 

 

 

56■少し疲れたので、ザックを下ろして小休止、今回使ったザックはモンベルの40Lのチャチャパック。40Lは大きすぎる気がするが電車旅や街道旅では思わぬ買い物をする時もあるのでこれでいいのである。

 

 

 

57■この道は新しく作られた道だな、歩きやすい。この頃になると身体で自動的に分かるようになる。

 

 

 

58■思うに道というのはコレが正しいのかもしれない…、江戸時代に作られた道から明治、大正、昭和、平成、令和と続く時代の中で脈々と作られ繋ぎ残されたもの、その上を人は今も歩くのだ。新しければいい、古ければいいというものでは無かろう。

 

 

 

59■15:28 スカイウォークまで来た。3月の西日はかなり傾きつつある。

 

 

 

60■予定の時間よりかなりオーバーしている行程だが、我々は決して慌てないし急がない。通常の登山と比べ、我々が歩いているのは公道であるし、バスも走っている。一日で全てを歩かなければいけない法律は無い。みちくさ食べ放題である。

 

 

 

61■路にコロコロと転がるキンカン(?)、冬の旅路にいい雰囲気である。こんな写真をいちいち撮っているからなかなか進まない。

 

 

 

62■こわめし坂(あまりの坂道で背中に背負っていた米が蒸されてこわ飯になるほどの急坂という意味らしい)のあたりの交差点。

 

 

 

63■我々は西坂を下っていたので最初はさほど急な坂だとは思わなかったけれど、進めば確かに急な坂である。この坂道を登るのは大変だったろうと当時がしのばれる。

 

 

 

64■16:00松雲寺前、日が傾き、西日がまぶしくなってきた、季節は3月末、日没は早い。

 

 

 

65■こんこんと水が湧き出ている松雲寺の前。

 

 

 

66■遠くに三島の町並みが見えてくる。歩きやすい歩道をぐんぐん進む。

 

 

 

67■でも、立ち止まって写真も撮るのである。

 

 

 

68■保育園の横の細い路地を進む、ここも昔の東海道だったのであろうか?

 

 

 

69■題目坂、歩きやすくコンクリートの階段になっていた。

 

 

 

70■16:32六地蔵 お花など、綺麗にお手入れされているお地蔵さん達。数えると6体よりずいぶん多い気がする。

 

 

 

71■臼転坂(うすころげざか)、この道で牛が転がったとか、臼を転がしたため名前が付いたと言われていると看板に書いてある。どちらもありそうないわれである。

 

 

 

72■16:36臼転坂ではもうすっかり夕日である。3月25日の日没時間は約18時。今がちょうど真横から光が差し込む時間。もう少しで日没である。

 

 

 

73■16:40 この時点で、本日の西坂歩きは終了。話題はバスで下った三島の街での夕食を何にするか?が中心である。バスは少し下った「公民館前バス停」から乗車し三島駅まで移動する。

 

 

 

74■17:28 バスは少し遅れてやってきて、約20分ほどで三島駅に下車。見たい物を見たいだけ、歩きたいだけ歩けるのがこの街道沿いのバスのおかげである。残りの区間はまた歩こう。

 

<西坂 第一部終了>

第二部はこちら>

 

 

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